クトゥルフ・ダークエイジ顛末 その2

h_nekozaki2005-06-01


 前回の『クトゥルフ・ダークエイジ』の続きですよ。
 肩ならしっぽい前半部から、いよいよ事件の真相へと近づいていきます。
 
 
【プレイヤーキャラクター】
 
自由騎士 グントベルト3世
騎士道馬鹿一代男。
 
家令 セバスチャン
脳筋の主人を操る黒幕的従者。
 
司教秘書官 ウィリアム
出世至上主義者で知識至上主義者。
 
傭兵 シュヴァルツヴァルト
冷静かつ危険に敏感な少年。
 
 
 とりあえず、今までの経過を報告に戻った一行。
 ウィリアム秘書官と傭兵シュヴァルツヴァルトはニコラウス司教に報告し、騎士グントベルトと従者セバスチャンは領主に報告をする。
 ついでに「私がマジャール人を攻撃しようと進言したところ、ウィリアム秘書官は一笑にふされ却下しました。これは利敵行為ではないでしょうか?」と領主に抗議するセバスチャン。
 「お前が頭に留めておくべきことはただ1つ。お前の主人はグントベルトだということだ」領主は抗議には直接答えず、そう諭して一件を治める。
 中間報告は済ませたものの、マジャール人の一件はまだ解決したとは言えない。追加調査を命じられた一行は再びバルトシャッテンへと向かった。
 
 村に着いてみると、村人たちの姿が見えない。しかし、教会の方から歌声が聞こえてくる。教会には村人たちが集まって、聖者を讃える歌を歌っていた。
 事情を聞くと、なんとあの騎士が復活し、マルティン司祭を伴って街へ旅立ったというのだ。
 「ある日マジャール人たちが村へやって来ましたが、復活した騎士様が腕をひと振りされると、恐れおののいて逃げて行ってしまいました。
 その後、騎士様はマルティン司祭とともに、グロースロイツへ旅立たれたのです」
 歓喜の表情を浮かべて賛歌を歌う村人たち。しかし、一行はこの村へ来る道で騎士たちとすれ違っていない。彼らは森の中を進んで行ったとでもいうのだろうか?
 事態の急転にすぐにも引き返したいところだが、夕刻も迫っているので、一行は村に一泊することにした。
 
 バルトシャッテンは小さな村である。教会にも司祭が1人いるきり。その司祭は復活した騎士と一緒に村を去ってしまった。
 主のいない教会に泊まり込んだウィリアムは、これ幸いにと書物の物色を始める。人の書斎を漁るのはクトゥルフ世界の常識。結局、めぼしそうな本が3冊出てきた。
 
 1冊目は黙示録の書かれた本。しかし、中身は正式な黙示録とは異なっている。この時代はこのような異本が野放しになっていた時代だそうだ。
 ざっと目を通すと、「天使の加護を得る祈り」と称する呪文のようなものが載っている。幾人もの聖者の名を連唱することで加護を得られるらしいが、その聖者の名に聞き覚えのないものが混じっている。
 その聖者の名は「イゴーロナク*1」というらしい。
 
 2冊目は教会年誌で、この教会が設立されてからの主な事件が編年風に書かれている。一体、30年前にこの村で何があったのか。年誌をめくるとそこには一枚の絵があった。
 騎士とマジャール人の召還した悪魔が向かい合う絵。しかし、タペストリーと異なる点がある。騎士は黒い剣を持ち、黒い槍を持つ従者は、入れ墨を入れ仮面をかぶっている。森の中で儀式をおこなっていた、あのマジャール人にそっくりなのだ。
 ここでウィリアムは真相の一端に気付いた。マジャール人の召還した悪魔をドイツ人の騎士が倒したのではない。マジャール人の召還した悪魔を、ドイツ人の騎士とマジャール人の従者が協力して倒したのだ。
 しかし、まだ謎は残っている。森の中で見た儀式の意味は? そして、復活した騎士は何者なのか?
 
 そして、3冊目は分厚い革表紙の本だった。表紙をめくると本のタイトルが書かれている。本の名は『ネクロノミコン*2
 でたー!! と喜びとも恐怖ともつかない叫び声を上げるウィリアムのプレイヤー。とりあえずざっと目を通すと、さまざまな神性の生物の名や、呪文などか書かれているようだ。しかし、熟読するには数週間から数カ月かかりそうで、当座の役には立たない。
 事件の終わった後の楽しみに取っておこうと、自分のずだ袋に本をしまい込むウィリアムだった。
 
 そして、ウィリアムがヤバい本に読みふけっていた頃、早々にベッドに潜り込んだシュヴァイツヴァルトは不可解な夢にうなされていた。

*1:(イゴーロナク)首がなく、両手の平に牙の生えた口を持つ神性の生物です。これが今回のボスキャラなのですが、ウィリアムのプレイヤーは「敵と戦う時に、イゴーロナクを召還して加勢してもらえるかも」などと言っていました。そんな訳ないっちゅーねん。

*2:ネクロノミコンクトゥルフ世界に惨然と輝くキング・オブ・禁断の書。西暦1000年当時はまだ禁書になっておらず、修道院で写本されたものがヨーロッパ中に出回っていたそうです。