『サン・ピエトロの豚野郎』 in ヴァンパイア・ザ・マスカレード

キッチン・コンフィデンシャル (新潮文庫)

キッチン・コンフィデンシャル (新潮文庫)

『キッチン・コンフィデンシャル』に出てくるアクの強いシェフたちに触発されて、V:tMのネタに出来ないか考えてみる。

『サン・ピエトロの豚野郎/Porco San Pietro』とは?

フランチェスコ・ジョヴァンニが経営するイタリア料理のレストラン。
その厨房は「黒牛」バルダッチョ・バルバリーゴの荒々しい統制下にある。
美味かつボリュームのある料理は街の健啖家たちから熱烈な支持を得ているが、血族や犯罪者たちの間では、半合法・非合法の会合・取り引き場所として貸し出されることで知られている。
レストランを借り切るには高額の賃料が必要だが、死霊術に通じたジョヴァンニ氏族のレストランに手を出す愚か者はほとんどいないため、非常に安全な中立地帯と考えられている。

『サン・ピエトロの豚野郎』の面々

魚屋 フランチェスコ・ジョヴァンニ(ジョヴァンニ/♂):

『サン・ピエトロの豚野郎』の経営者。海運業を営むかたわら、新鮮な食材をバルバリーゴの厨房に流し込んで、見事な料理を提供することにも非常な興味を持っている。
彼自身はもはや食事やワインに生前ほど喜びを感じられなくなっているが(味わうことや一時的に腹に収めることはできる)、人々が食事を楽しむ姿を眺めて生前のよすがにしている。
栗色の瞳と髪。シックで上品なスーツに身を固めた若き実業家といった外見。合法であろうと非合法であろうと、確実かつ高品質なサービスを提供することを誇りとしており、そのために血の汗を流すことをいとわない。
彼自身は死霊術には通じていないが、彼も不道徳な業に手を染めているに違いないという周囲の見方は内心歓迎している。
彼は優れた実業家であり、厄介事を解決するのに死霊術の助けを必要とすることはほとんどないが、必要とあればためらわずに同胞から援助を受ける。

黒牛 バルダッチョ・バルバリーゴ(グール/♂):

『サン・ピエトロの豚野郎』のシェフ。強い黒髪と黒い瞳。手に持った肉切り包丁がペーパーナイフに見えるほどの巨漢。ヴェネツィアのレストランで叩き上げられたコックで、フランチェスコが見込んで引き抜いた。
腕利きかつ疲れを知らぬシェフで、『サン・ピエトロの豚野郎』の厨房は彼の胴間声によって軍隊のように統制されている。
ヴェネツィア出身らしく魚介類を使った料理が得意。特にスズキの香草焼きと魚介スープは絶品らしい。
非合法な面でもフランチェスコの優秀な部下で、非常時には厨房各所に忍ばせた銃器でレストラン防衛に務める。

BBギャング(人間/♂&♀):

バルダッチョの下で働くバイタリティあふれるコックたち。料理する以外には何もできないゴロツキの集まりだが、こと料理にかけてはそれぞれ確かな腕を持っている。
すべてバルダッチョが引き抜いてきた忠実な部下で、バルダッチョに「明日のメニューに悪魔の肝臓が必要だから用意しておけ」と言われたら、すぐさま地獄へ調達に行くだろうと噂される。

女傑/Virago ピア・ストロッツィ(グール/♀):

フランチェスコの愛人兼荒事師。黒髪の豊満な美女。
彼女の家は代々ジョヴァンニ家の荒事師をやって来た一族で、彼女は幼い頃から職人堅気な父から銃の扱いを仕込まれた。
バルダッチョが要塞司令官だとしたら、ピアは突撃隊長のような役回りで、フランチェスコの命令のもと、正確に患部を切り取るメスのように厄介事を始末する。
「仕事」をしていないときは、フランチェスコの愛人としてオペラやレストランに同伴し、時には1人で夜のバーに現れる。
その姿は大輪の薔薇のように艶やかだが、彼女と彼女のパトロンを知る者は、けっして手を出そうとはしない。