異文化コミュニケーション in D&D3e

h_nekozaki2006-02-01


先週日曜は毎月恒例D&D3eの日でした。
今回から新シナリオ突入。『現われた地下都市』ですよ。
ちなみにこのシナリオは13レベル対応らしい。で、僕たちパーティのレベルは11〜10レベル。
大丈夫なのか。


【パーティメンバー】
アーキー(ファイター&クレリック/ノーム/♂/NPC
アルザスクレリック/人間/♂)
イリア(パラディン/人間/♀)
ジャン(ウィザード/人間/♂)
ディラン(モンク/人間/♂)
シェラザック(ブロンズドラゴン/♂)

地底探検のススメ

邪龍教団を率いるヴァンパイア、ガルシアスを倒して前回までの冒険にケリをつけた我らがパーティ。
略奪品を売りさばいた金でマジックアイテムを買いあさって戦力を増強*1。完全に有卦に入ってご満悦のところに1人のノームがやって来ました。
「ワシと一緒に洞窟探検せん?」
ライディング・ドッグを連れたノームはアーキーと名乗り、冒険を持ちかけてきます。
なんでも、とある火山の麓に、地震で巨大な亀裂ができたらしい。そこにもぐってみようという趣向だとか。
いくつか質問をしたのち、「地下洞窟と聞いたら行くしかないでしょ」と、冒険者の習性に従って出発。
しかし今回のシナリオ、マスターがアンダー・ダーク*2がどうのと言っていたような…。単なる洞窟じゃなくて、地底世界にまで降りていくことになるのかしら。
不安を覚えつつも、とりあえず《マス・ダークビジョン》*3の呪文を用意しておくジャンでした。

とりあえず、火山から4日ほど離れた小さな町にたどり着く面々。
いろいろ聞いてみると、今のところはこれと言った事件は起こっていないものの、亀裂からかなり大柄なコウモリっぽい生き物が飛び出してくるのを見た人がいるらしい。
「ほほう、それはご不安でしょう。よろしければ我々が調査をいたしましょうか。必要であれば危険を排除することもできますが…」
と、営業をかけるジャン。
交渉の末、町の領主から5000gpで事前調査を請け負うことに。金主もついたところで、火山山麓の亀裂に向かいます。

スラード登場!!

で、やって来ました馬鹿でかい亀裂。
いつものように踏み込む前に強化呪文をかけまくってから、深い暗闇の中へ突入。延々巨大洞窟の中を進みます。どんどん進みます。半日とか。
今までのダンジョンとは桁違いの規模にびびり始めたころ、前方に感あり。
なにやら直立爬虫人といった風体のモンスターが3体こちらに進んできます。
「ハロー?ハロー?」
イリアが覚えたてのアンダー・コモン*4で友好的接触を試みつつ、《センス・イービル》。
結果は『No Evil』連中、あんなご面相でも邪悪ではないらしい。
「ぬう、あれはスラード! よもや奴らが火炎嶽地底制覇に出場してこようとは…!」
「し、知っているのかジャンー!!」

【スラード】
混沌の次元界を故郷とする知的生物。驚異的な戦闘能力を誇る上に、形態に応じて様々な特殊能力を身につけている。
総体として邪悪な種族ではないが、行動は予測しがたく、しばしば危険でさえある。
突然思わぬハプニングに出くわす──「夜道でスラード」という諺は、気まぐれなスラードの習性に由来する。

民明書房刊『驚異の種族』より─

スラードとの交渉はなかなからちが明きませんでしたけど、どうやら侵略前の偵察に来てるっぽい印象です。
「どうする?」
「あの人たちEvilじゃないから、殺すのは気が引けるなぁ」
「でも、町の危険を排除することになってるし」
「町の危険になるとは限らないけど」
「侵略前の偵察らしいから」
「……」
「殺っちゃえ」
というわけで衆議一決。戦闘になりました。
たった3体だから軽めの敵かと思ったら、混沌関係の特殊能力を振り回して大活躍してくれちゃいます。
最初は呪文の打ちしぶりをしていたジャンも、それどころの騒ぎじゃないと気づいて大盤振る舞い開始。
虎の子の《ホールド・モンスター》*5まで使って撃破に成功しました。

ビホルダー登場!!

偵察行中のスラードを倒してお宝を略奪した一行は、ここで一泊した後、ふたたび洞窟の奥へと進みます。
で、相変わらず延々と続く洞窟を歩いていると、ふたたび前方に感あり。と、同時にパーティの面々にかけられていた強化呪文が効果を消失しました。
目も耳も利くドラゴン、シェラザックによると、前方には四つ足の生き物1体に、浮遊している生き物が2体いるとか。
「浮いてる生き物が2体?」
「で、呪文の効果が消えた?」
「ぬう、あれはビホルダー!(以下略)」
知識判定に成功して、モンスターマニュアルのビホルダーの欄をチェックするプレイヤー。
「脅威度13*6とか書いてありますよ…」
「撤退だ!」
相手がまだ気がついていないのを幸いに、じりじりと後退して難を避けました。

デズモドゥ登場!!

洞窟にもぐって4日目。
前日現れたスラードやビホルダーで、ここが超ヤバい穴なのはみんなひしひしと感じています。
次は一体なにが出てくるのか。
いやな汗を流しながら前進していると、みたび前方に感あり。
こんどは巨大なコウモリを連れた、コウモリ人間の集団がやって来ています。
やたら凶悪そうな面構えにびびりつつも、またアンダー・コモンで友好的接触を試みるイリア。
「ナイス・トゥー・ミーチュー」
その隙に知識判定でコウモリ人間の正体を割り出すと…デズモドゥという知的生物であることが判明。しかも、種族属性はなんと『good』
いい人たちなんだ!

話を聞いてみると、彼らは旅の商人の一団でした。
彼らはドロウエルフなどの襲撃を避けるために、溶岩流に守られた閉鎖地域に街をつくって暮らしていましたが、最近起こった地震のせいで溶岩流の流れが変わり、ふたたび外部と接触ができるようになったとか。そこで、せっかく外部との接触ができるようになったんだから、ひとつ商売でもしてみるかとこうして出張って来たのだそうです。
「いや、ビジネス・チャンスを機敏に捉えるその姿勢!見習いたいものですな!」
妙に感心してデズモドゥ商人をほめあげるジャン。
どんなものを扱っているのか見せてもらうと、発火棒などの見たことのある錬金術の産物に混じって、酸素マスクなどのデズモドゥ独自のアイテムが。想像よりもはるかに文明の発達した種族のようです。
酸素マスクを分けてもらって、さらに奥へと進みます。

国境を越えて

デズモドゥ商人と別れた一行は、ドロウエルフの廃都があるという大空洞をスルーして、デズモドゥの住む大空洞の入り口へやって来ました。
やっとで到着かと思ったら、入り口をふさぐようにデズモドゥの一団が。
「今まで鎖国してた街だからなぁ。国境警備隊か、攘夷派の志士だろうか」
例によってイリアが接触を試みようとすると、いきなり弓をいかけられましたよ?ついでにセンス・イービルにもばっちり反応。
悪いヤツなら遠慮はいらねぇと勇んで攻撃開始。
しかし、またこのコウモリ人間たちが強い強い。怒濤の連続攻撃の前に、前衛組の体力がガリガリと削られます。
ここを突破すれば街に入れるという思い入れで、ジャンも最後の切り札《ストーン・スキン》*7の呪文を投入。
これで少々殴られても平気、と悦に入っていたら、とたんにデズモドゥの攻撃が外れ出す。
せっかくかけたんだから、当てろよ!と、ワガママな発言をするジャン。
結局、1人の犠牲者も出さずにデズモドゥの一団を撃破して、彼らに捕まっていたデズモドゥを救い出すことに成功しました。
穴蔵に放り込まれていたデズモドゥによると、この一団は単なる盗賊で、彼は身代金目的かなにかで捕まっていたのだという。外国人打ち払いをしてる攘夷派の志士じゃなかったのか。がっかり。
ともあれ、デズモドゥの街に入るのに、案内役ができたのはラッキー。一行は一路デズモドゥの街を目指します。

to be continued →

*1:戦力を増強:全員がブーツ・オブ・スピードをはいてたり、今までよりは飛躍的に強くなっているが、それでもこのレベルにしたら貧弱な装備らしい。

*2:アンダー・ダーク:D&D世界の地下に広がる巨大な地底世界。ドロウエルフだのマインドフレイヤーだのといった物騒なモンスターあふるる剣呑な世界。

*3:《マス・ダークビジョン》:パーティ全員の視力を暗視に換える呪文。暗闇で目が見えると言っても、暗視範囲は60ftくらいしかないので、地上よりも視野が制限される。

*4:アンダー・コモン:地底世界の共通語らしい。パラディンのイリアがいつの間にやら修得していた。イリア、地底NOVAうさぎから習ったんじゃろか。

*5:ホールド・モンスター:対象のレベルに関係なく相手を動けなくする呪文。現時点でジャンの使える最高レベルの呪文。

*6:脅威度13:脅威度はモンスターの強さを表す数値で、脅威度と同じレベルの4人組パーティと互角の強さであることを意味する。ビホルダーの脅威度が13ということは、たった1体で4人組の13レベルパーティと互角に渡り合えるということで…。

*7:《ストーン・スキン》:対象の皮膚を石のように丈夫にして、打撃ダメージを軽減する呪文。打撃中心で攻めてくる敵には非常に有効だが、250gp相当のダイヤモンドの粉末が必要という、気軽にかけにくい呪文。