ビホルダー退治 in D&D3e

h_nekozaki2006-04-15


「燃えろ! 俺の小宇宙! ビホルダーよ、我が必殺技を喰らって砕け散れッ!
《ディスインテグレイト》ーッ!!」
《テレポート》によってビホルダーの上空に転移したジャンの右手から、閃光がほとばしる。
「うわぁぁぁぁっ!!」
2ページ見開きで聖衣もろとも粉々に砕け散るビホルダー。その後には、ほんの一握りの塵しか残らなかった。
「バカめ。黄金聖闘士と青銅聖闘士の間には、天と地ほどの実力差があるのだ」
宙に浮いたまま粋がるジャンを尻目に、パーティの面々は残敵の掃討に移っていた。


なんか、最近持ちキャラが強力になりすぎて戸惑いがちなねこざきです。
素直に喜べばいいじゃないかという意見もあるかと思いますが、こちらができることは敵方もやって来ると言うことで、その内自分が骨も残さずに消し飛ばされるんじゃないかとヒヤヒヤしております。

パーティメンバー

アルザスクレリック/人間/♂)
イリア(パラディン/人間/♀)
ジャン(ウィザード/人間/♂)
ディラン(モンク/人間/♂)
シェラザック(ブロンズドラゴン/♂)


今度はビホルダー退治

「実はのう。ドロウ・エルフの廃墟にビホルダー*1が住みついてしまったそうなんじゃ。
若い衆がちょっと冒険心を起こして廃墟まで行ったら、見つけたそうなんじゃが……。若いというのは向こう見ずなもんじゃのう。
若い衆は慌てて帰ってきたから無事じゃったんじゃが、ビホルダーなんぞがうろついておっては、物騒で仕方がない。
申し訳ないが、あんたたち退治してきてくれんかの?」
サラマンドラを退治して帰ってきたばかりの冒険者一向に、またも無理難題を吹っかけるバーンダーさん。
しかも報酬は、「ドロウ・エルフの廃墟に残っている宝物は全部あんたらのものにしていいから」だそうで。人のフンドシで相撲をとるってのはこういうことだよね! 「虫のいいコト言ってんじゃねぇ、この野郎」と思わなくもないですが、集落程度の規模しかないデズモドゥの村では逆さに振っても報酬は出ないのも確かで、結局行くことになりました。

ちなみに、今回の冒険はシャドウダンサーのエッちゃんは不参加。どうやら単発のお仕事だったらしく、これから先の案件については別契約のようです*2


蜘蛛の神殿へ

またまた広大な地底世界を歩いて、ドロウ・エルフの廃墟にたどり着いた一行。かつては大きな都市があったはずですが、デズモドゥたちの使った溶岩兵器でほとんど埋まってしまい、現在は蜘蛛を象った神殿——ドロウ・エルフの信仰する蜘蛛の女神ロルスの神殿——のみが固まった溶岩の上に出ています。
長い階段の先に、ポッカリと蜘蛛の口を象った入り口が開いてます。
「なんか、すごいヤバい雰囲気だよね」
誰だって蜘蛛の口の中になんか入りたくありません。それに、すんなり中に入れるとも思えません。
とりあえず、《クレアボワイヤンス*3》の呪文で偵察をするジャン。したら、いましたよ。デズモドゥが入り口の洞窟の奥に潜んでいます。
このデズモドゥ、自発的に従っているのか、ビホルダーに魔法をかけられているのか。どちらにしても、すんなり通してくれそうにはありません。
警戒しつつ前進していくと、予想通り飛びかかってくるデズモドゥ。さらに巨大なハサミを持ったザリガニのような怪物*4が2体、這い出してきました。
なんだこりゃ。こんなのまでいたのか。
たちまち起こる剣戟の響きと飛び交う呪文。初見の敵もいますけど、冒険者たちもかなり成長しています。それほど苦戦せずに蹴散らしました。


ビホルダー現る!

見張りのデズモドゥを倒して神殿に入り込んだ冒険者一行。
神殿の中は瓦礫だらけ。敵もいない代わりに、金目のものなんかちっともありません。
またどんな凶悪なモンスターが出てくるか知れないので注意深く探索を続けて*5いくと、地階に両開きの扉があります。
聖騎士イリアが《センス・イーヴル》で探ってみると、いますいます。扉の向こうにうじゃうじゃいるようです。
「ここは《エヴァーズ・ブラック・テンタクルズ*6》の使いどころだな」
触手好きのジャンがうれしげに手をこすり合わせます。
扉を開けた瞬間に呪文をぶちかまそうと作戦を立てて、一、二の三で扉を開けると、そこにはモンスターを引き連れたビホルダーが待ち構えていました。
「もう出てくるなんてーっ!!」
予想を裏切られて驚愕する一行。ビホルダーの巨大な目から放たれる魔法無効化光線を浴びているために、作戦は実行不可能です。
「ど、どうするどうする?」
「神官アルザスが《ディメンジョン・ドア》でビホルダーの背後に飛び込んで、呪文をぶちかます!」
「でも抵抗されちゃったらどうする?」
「知らない」
慌しく打ち合わせをする一行。
とにかく、魔法無効化光線の範囲外から強力な呪文をかますのは悪いアイディアじゃない。ただ、抵抗されたときのことを考えて二段構えで行こうと、行動順が先に回ってきたジャンがまず動きました。
まず、扉の影に隠れて魔法無効化光線を避けて、そこで《テレポート》を唱える。
ビホルダーの上空に転移して、そこで《ディスインテグレイト*7》!
ビホルダーは抵抗に失敗して、塵となって霧散しました。
「やった! やったよぉ!」
呪文が効かなかったら、ビホルダーの怪光線10連発を食らうところだったジャンは緊張が緩んで半泣きです。
すかさず他の面子もなだれ込んで、ビホルダーの部下の掃討に入りました。


まだいるの!?

残敵掃討も済んで、奴隷にされていたモンスターも開放して話を聞く一行。
「ありがとうございます。助かりました。でも、あと2匹いるんです」
「え、なにが?」
ビホルダーが。外を見回っているのと、奥に潜んでるのが」
「な、なんだってー!?」

(to be continued)

*1:ビホルダー:『目玉の暴君』の異名を持つD&D界きっての個性派モンスター。外見については上の画像参照。巨大なひとつ目からは魔法を無効化する光線を放ち、頭の上に生えている10個の小さな目玉からは10種類の怪光線を放つとてもイヤな敵。

*2:別契約〜:実際はエッちゃんのプレイヤーさんが所用で来られなかっただけ。

*3:《クレアボワイヤンス》:離れた場所を見る呪文。あらかじめどんな敵がいるか知って対策を立て、先手をとった方が圧倒的に有利なD&D世界において、この手の呪文は非常に大切。

*4:ザリガニのような怪物:『チュール』という怪物でした。外皮が堅く、巨大なハサミがかなり大ダメージで、口からは麻痺毒を分泌する触手をはやしている。けど、けっこう楽に倒せたような。

*5:探索を続けて:なんだかワケの分からない怪物がウヨウヨしていて、偵察に出したホムンクルス(魔術師ジャンの作った魔法生物)が怪物に食われたりしている。

*6:エヴァーズ・ブラック・テンタクルズ》:触手をニョロニョロはやして敵を緊縛する呪文。ジャンはこの呪文の使いどころを常に探している。

*7:《ディスインテグレイト》:怪光線を放って、対象を原子の塵に分解してしまう呪文。現時点でジャンが使える最強の呪文。