愛と情熱と飛び散る血潮 in D&D3.5e

h_nekozaki2007-12-09


そんなこんなで始まった『赤い手は滅びのしるし』ですが、D&Dの既成シナリオですからね! プレイヤーたちをひぃひぃ言わせてやろうとえげつない敵やら罠やらが詰め込まれてるに違いありません。
いや、ひぃひぃ言う間もなく皆殺しにされるかも知れん。
ちなみに今回の冒険世界はフェイルーン。
冒険は、フェイルーンの南方、シャーの国のエルシア谷を貫くあかつき街道を、西へ西へと旅しているところから始まります。



★★注意! このセッションリポートはD&D3.5e用既製シナリオ『赤い手は滅びのしるし』のネタバレを含みます!★★


【パーティメンバー】

エズメラルダ・ブランディバック(ローグ1 パラディン4/ハーフリング/♀)
エラネッセ(ウィザード5/エルフ/♀)
キートン・ブランディバック(ウォーロック1 ローグ4/ハーフリング/♂)
ナイアラ(クレリック4/キャットフォーク/♀)
ライラ(ダスクブレード5/人間/♀)
定吉さん(ゴールデンリトリバー/♂)



奇襲はD&Dの挨拶です

彼らの目的はあかつき街道と川が交差する地点にある「ドレリンの渡し」まで偵察に行くこと。ブリンドル市に住むスーニー女神の司祭に降った天啓の真相を探ることです。
曰く、


「赤き手は滅びのしるし──エルシア谷に赤き手の戦旗を押し立てた軍勢がやってくる」


雲をつかむような話ですが、このパーティの宗教分布はスーニー80%・マイリーキー20%。世のならいで多数派の意見が勝ち、一も二もなく偵察に向かうことに。


エルシア谷は自然の恵みに満ちた土地柄で、北方には「魔女の森」と呼ばれる大森林が広がり、南北を水量豊かな川が貫いています。冒険者たちが行くあかつき街道のまわりも下草が茂り灌木がそこかしこに伸びています。
その街道が北に曲がり始めたところで、おもむろにマップを机の上にセットするマスター。黙々と街道の両脇にフィギュアを並べ始めます。
ちょwwwwまだ始まったばっかりなのに襲撃かよwwwww。
《視認》《隠れ身》の対抗ロールが振られ、見事に前衛2人が不意を打たれたところで戦闘が始まりました。


不確定名「人型生物」

灌木の陰からクロスボウの十字砲火を浴びた我らがパーティ。ローブ一枚着たきりのエラネッセにブスリ。
「このマスターのダイス目は異常なんだよぉぉぉ!」
絶叫を上げながらクリティカル・ヒットでゴッソリ体力を削られるエルフ魔術師。
ともあれ敵の姿が見えたので知識判定です。
「《知識:地域》どうぞ!」
「失敗!」「失敗!」「持ってない!」「持ってない!」「持ってない!」
敵名称「不確定名:人型生物」。
不意を打たれなかった盗賊キートンは、定吉さんから飛び降りざま敵との距離を詰めて目からビーム。異界の者の血を引くウォーロックの超常能力です。
弟の奇行を見ないふりしつつエズメラルダも騎乗突撃!と思ったら、
「下草に足とられるから突撃できないよ」
みるみる減少する中の人のやる気ゲージ。でもロングソードで殴る。
などと道の両側にいる敵とじゃれ合っていたら、奧にあった廃屋から大柄な人影が。
「オレと闘う勇気のある者はいるか!」
ボスっぽい人登場。ショートソード二刀流でなにげにかっこいい。でも不確定名:人型生物。
詳しいことはよく分からんが、下草エリアから街道に出てきたうぬが不覚よ! と、エズメラルダは舌なめずりをしながら突撃。
「ボッコボコにしてやんよ!」
初突撃命中! 2倍ダメージ!
あまりの達成感に「じゃ、これで」と帰りたくなったけど、戦闘はまだまだ続きます。


援軍援軍また援軍!(敵に)

今さらだけど盗賊団の待ち伏せをくらったらしいと気付く冒険者一行。
突撃を食らいつつも持ちこたえたボスの後ろから増援が現れ、エズメラルダはたちまちタコなぐりに。助けを呼ぼうにも、魔法戦士ライラは中陣に割り込んできたヘルハウンドを転ばせようと分の悪い戦いの真っ最中。そして他のメンツははるか後方に。
ちょwwww陣形縦に伸びすぎwwwwww。突撃型前衛が陥りやすい過ちと言えましょう。
ボッコボコにされながらも「ボスを倒せば何とかなる!」と殴りつけますが、なんかね、見えない敵がボスに回復呪文かけてますよ(涙目)?
二刀流ボスに透明のクレリック、ヘルハウンドに弓兵いっぱい。ただの盗賊じゃねぇぇぇ! さらに現れた一群れの援軍に目の前が暗くなる思いを味わった瞬間、
ファイアボール!」
エラネッセの手から解き放たれる火球。消し飛ぶ援軍。
やっぱりウィザードは戦略兵器だよねぇ。ここら辺で戦闘の潮目が変わったようです。半数が討たれた盗賊たちは撤退を開始、ボスもクレリックもすごい勢いで逃走。冒険者たちは捕虜を1人確保。どうにか盗賊団撃退に成功したのでした。


ドレリンの渡しから先へ

傷を癒して体勢を立て直した冒険者一行。捕虜にした不確定名:人型生物に尋問してみますがだんまり。
むかつきますけど、捕虜虐待はグランドコー……善アライメントの行動指針に反するので、キートンが縄師の腕の冴えを見せて緊縛、連れて行くことに。こんなところで性的嗜好がばれるキートン
その後ドレリンの渡しまで何ごともなくたどり着いた冒険者たちは、入口を守る自警団と話して警備隊長と村長に会わせてもらうことに。したら、盗賊団はドレリン周辺を荒らし回ってるんだってさ! しかも、パトロールが西の街道から森に入ったところで皆殺しにされたんだってさ! 12人も!
根掘り葉掘り聞いたすえに、「森の小径の先に、ジョールという森に詳しい男が住んでいる」というネタと、「魔女の森にはドルイドの幽霊が住んでおるそうだ」というガセだか何だか分からないネタをゲット。
とりあえず、街道はやばそうだから小径を行こうということになりました。でも、小径にも森の生きものたちが出るんだって! マンティコアとか!


森の生活

ドレリンの渡しで聞き込みをした一行。川を渡って西岸に渡ります。
この川を渡る仕組みがちょっと面白くて、ゴンドラの代わりにはしけがついてるロープウェーというか、川の上に輪になったロープがさし渡されていて、それにこっち側とむこう側に一艘ずつはしけが付いてる。で、牽引用の馬が歯車をグルグル回すとはしけが川を行ったり来たりするという仕組み。
西岸まで攻め込まれたらロープを切れば進攻を遅らせられるかも、とか思いながらはしけを降り、森への小径に入っていきます。
しばらく行くと、川のほとりにロッジ風の家が。そんでもって犬が三匹ものすごい吠えながら突撃してくるよ?
「はい、可愛いですねぇぇ」とエズメラルダがムツゴロウ言語とともに《動物使い》ロールするも、なだめるのに失敗。さんざん吠えられます。仕方ないので、家の方に「すみませーん、ドレリンから来たんですけどー」と声かけて引き取ってもらいました。
家の住人は予想通り森に詳しいというジョールさん。日に焼けつくした筋骨逞しいナイスガイ。さっそく「盗賊どもが森に根城を構えるとしたらどのあたりだと思いますかね?」と、識者の意見を聞いてみます。
「そうさな。ヴラース砦というのがあるが」
《知識:地域》ロールをする面々。
「ヴラース砦……聞いたことがある……」
「し、知ってi(ry」
伝説によると、ヴラース砦を根城にする戦士の一族がいたそうですが、アメリ・ヴラースという野心家が首領となったときに破滅が訪れました。アメリは魔女の森の全支配を目論み、フォレストジャイアントの一族に攻撃をしかけたのです。一度は「曲がり牙」一族を追い散らすことに成功したものの、ある夜もどってきた巨人たちによってヴラースの一族は皆殺しにされ、アメリは地下室から出ることもできずに飢え死にし、その幽霊はいまだに砦を彷徨っていると言われています。
「ホブゴブリンども*1の本拠はもっと南の竜煙山脈だろうが、あそこを根城にしているかも知れんな。やつらを倒しに来たなら手を貸してやろう。1日10gpでな」
森のエキスパートを1日10gpで雇えるならと喜んで承諾し、今度はヴラース砦へと向かいます。


おいでよどうぶつの森

ジョールさんを先頭に森の小道を進む一行。
森の街道はホブゴブリンに見張られてて危なそうだからねー! 小径はあんまり使う人もいないらしいし、大丈夫だよ! でも、森のどうぶつが出てきたりしてー! あー、あるある!
出ました。マンティコアが。
トゲトゲ尻尾にコウモリの羽根を付けたライオンってー理不尽な姿をした怪物がぎゅんぎゅん近づいてきます。冒険者たちも迎撃体勢を整えて待ちかまえますけど、


上 空 か ら 尻 尾 針 爆 撃


弓で対空砲火してたジョールさんとフライポーションを飲んで上空に上がったライラがたちまちハリネズミに。
キートンは木によじ登って怪光線でジミジミとダメージを与え、エラネッセは高レベルモンスターにスリープ効かないのを忘れて投射、のちガックリ。ナイアラは次々に火だるまになる仲間の回復に大忙し。そしてジャヴェリン*2しか飛び道具を持ってないエズメラルダは、マンティコアがうっかり射程に入るのをただただ待ってました。
そんなわけで、上空をブンブン飛び回ってマンティコアくん大活躍。でも針24本打ち尽くす頃にはどうにか撃墜に成功。
どうやって撃墜したかなんて聞くな! 覚えてないんだ!


シナリオデザイナー自重

また甚大な被害を受けた冒険者一行。ナイアラがキュアワンドを折る勢いで回復し、再び前進を開始します。
途中から小径は街道に合流し、徐々に湿地帯に入っていきます。そして、湿地帯の上に渡された木の橋が見えてきました。
「木の橋はツルツル滑るから走ったりすると《平衡感覚》ロールに成功しないと転ぶからね。橋の下の湿地帯は移動力2分の1ね」


なんという絶好の待ち伏せポイント。


渡ってる途中で矢でも射かけられちゃたまらないってんで、レンジャーのジョールさんと盗賊キートンが斥候に。コッソリ橋のたもとまで近づきます。
すると……水面が小山のように盛り上がり、滝のごとく水をまき散らしながら6本首のヒドラが出現! 人の胴ほどもありそうな首をくねらせながら迫ってきました!
「どどどど、どうする!? 逃げる!?」
予想外の展開に取り乱す聖騎士エズメラルダ。あの怪物と殴り合う自分を想像して一気に血が下がります。
でも他のメンバーは撤退する気などさらさらない様子。せめて足場のいいところで闘おうと、街道に魚鱗の陣を敷いて迎撃体勢を整えます。
「あいつねー、毎ターン体力が回復するよー。あと、首を切り落としても火で焼かないと数ターン後に2本生えてくるからね。2本!」
《知識》ロールに成功した魔術師エラネッセが脳内モンスターマニュアルからデータを音声出力。首を落として攻撃回数を減らす作戦は急遽変更、本体攻撃に集中することに。
弓やら怪光線やらを放ちながら後退してくるジョールさんとキートン。エズメラルダは剣を収めてランスを構えます。
そしてヒドラの巨体が小黒い影をみんなの足許に落としたとき、
「とつげきゃーッッッッ!!!」
目つきが変になったエズメラルダが定吉さんに乗って突撃。巨体に吸い込まれるように一直線。
「命中! ランスだから3倍ダメージ! 死ねや!」
的がデカいだけに当たることは当たる。でも死なない。すかさずライラがスパイクト・チェインを振るい、ジョールとキートンも追い打ちをかけますが、まだ死なない。
「はい、それではヒドラの攻撃フェイズです」
6回攻撃! たちまち大炎上する冒険者一行。ジョールさんがヒットポイント0を割り込み戦闘不能。ライラも《シールド・アザー》の呪文でナイアラがダメージを半分肩代わりしてくれてるお陰でなんとか立ってる状態。エズメラルダは重装甲と《シールド・オブ・フェイス*3》でヒドラの攻撃を凌ぎますが、時折当たる一発が痛い! そして接敵してしまったのでもう突撃は不能。ランスを捨ててロングソードで殴り合いに入ります。
その後はお互いのリソースを削り合う消耗戦でした。ヒドラのヒットポイント回復量を上回るダメージを与えるべくひたすら殴り、6回攻撃が一つでも多く外れてくれるのを祈り、死にかけた仲間を回復しまくります。
「私、あと一発食らったら死ぬよ! でも当たらない!」
ヨレヨレになりながら空振りを続けるエズメラルダに泣きが入った頃、
「目からビーム!」
「はい、死んだー」
キートンの怪光線で地響きを立ててくずおれるヒドラ。あの怪物を倒すことに成功したのでした。信じられない!
「『これは殺れる!』と思ったんだけどなー」
マスターの不穏な発言を聞き流しつつ、冒険者の基本ムーブ宝探しを開始する一行。湿地帯に横倒しになった馬車の残骸から魔法の鎧を見つけました。
ちなみに馬車の中はホブゴブリンのものらしい骨だらけ。もしかしてウチら、ホブゴブリンの進攻を阻んでいた怪物を倒しちゃったんじゃね?とか思いましたけど、リソースはほとんど空。
いったんジョールさんの家まで退却することにしたのでした。


→to be continued

*1:ホブゴブリン:ジョールさんはさすがに「不確定名:人型生物」の正体を承知していた。

*2:ジャヴェリン:投げ槍。射程は驚くほど短い。

*3:シールド・オブ・フェイス:アーマークラスに+2ボーナスをくれる呪文。超ありがたい。